実例を使って話す

私の教室に来られている生徒さんに、元気で楽しいSさん(女性)がいます。

彼女は、S市役所に三十七年間、電話交換手として勤め、2005年3月に定年退職されました。

入所当時のこと、「職員の定期健康診断」のお知らせの庁内放送を依頼されたそうです。彼女はマイクに向かって放送しました。「ただいま、胸部レントゲンの撮影を行っています」と言うべきとところを

「ただいま、局部レントゲン撮影を行っています。」と言ってしまったのです。放送を終えると同時に、係の職員が飛んできました。

「Sさん、いま何言うてくれたんや、うちの課、みんな大笑いしてるで・・・・」

彼女は、自分の失敗に気付き「シマッター」と顔が真っ赤になり、穴でもあれば入りたい気持ちになったといいます。後日、庁内中、大爆笑だったということを知ったそうです。おかげで市役所では有名になりました、と楽しくユーモラスに話してくれたことがありました。

 私は、この話を聞いた時、Sさんにいずれ退職の時が訪れた時、その挨拶も通りいっぺんのもではなく、このようなほのぼのとした失敗談や、上司や部下の自分を成長させてくれた要因や事例、行政提案が採用された時の喜びや市民に感謝されたことなど、印象に残っている実例を中心に話せば・・・・とアドバイスをしたものでした。

 後日、「送別会の席上でのあいさつを実例を入れて話はしはじめたら、みんながシーンとして、涙ながらに聞いてくれて本当に良かったです。」と、うまく言ったことを話してくれました。

2019年03月28日 | Posted in 大仲学院長の感じよく話すヒント聞くヒント | | Comments Closed 

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