くだらないことでも発言すること
日本人は公の場で発言を求められても、なかなか発言しようとしません。
黙っていても解ってくれると思っているからでしょうか?
- こんなことを言えば恥をかくのでは・・・。
- 今言わなくても別に・・・。
- 言えば文句を言っていると思われるかも・・・etc。
そこで今日は、脳科学者の中野信子さんの話を紹介します。
世界各国を代表する研究者が集う、フランスの原子力庁で脳科学者として研究をしていた中野さん。
彼女が最初に驚いたのは、仕事で結果を出す人ほど、自分自身とプライベートな時間を大切にしているということだ。
「夜8時にオフィスに残っている人などいません。
プライベートでも、ダンスをしていたら選手権で優勝するなど趣味を超えた充実ぶり。
そういう人は魅力があり仕事でも信用され、脳も多くの刺激を受けてよく働くのでしょう。
また自分の強みを見つけたら、そこで貢献すると決め、弱い所は頑張らず得意な人に振る。
やらないことを決める合理性がいい結果を出すんですね」
日本人はシステムを生かすために個が犠牲になりがちだが、様々な人種が集うフランスでは個が優先されるそうだ。
これは、一瞬楽に思えるが、逆に「個」のアピールを常にしていかないといけない厳しさがある。
中野信子さんが話すのには、
「戸惑ったのは、たとえくだらないことでも皆がすぐ発言するということ。
私は日本人的な感覚で、これを言ったら馬鹿にされるとついためらってしまう。
その一瞬のためらいが差をつけます。
人種や宗教など異なる背景を持つ人が集う場では、言わないで理解されることはありえないと分かりました。
言葉にしたことが全てで『行間』はないんです」
何より中野さんが日本人に足りないと思うのは、彼らが持つ、逆境をバネにして利用し、活かすという強さだ。
「とにかくずぶとく、逆境も自分の糧にしてしたたかに生きる。
ただこれは、彼らが脳の使い方が上手なだけで、慣れれば誰にでもできます。
もう駄目だと思っても、考え方次第で活路は幾らでもある。
脳科学の面から、皆がそれに気づくお手伝いをしていけたらと思っています」。
まずは、自分の強みを自覚しよう。
脳科学者 中野信子
大仲学院長の“人生に勝つコツ”シリーズ