聞く力のある人は人を幸せにする

大学雄弁会の同級生である前田さんと久しぶりにお会いし、近鉄上六駅近くの都ホテルでご一緒に食事をした。
前田さんは長年、市役所に勤められ土木部長を最後に定年退職された。
在職中は市の用地買収の仕事で、随分ご苦労されたようです。
私は用地買収に興味があり、地主さんと交渉するとき、いつも心掛けていることは何かと聞いてみた。

まずは地主さんに役所から来たという警戒心をもたれないようにする。
そのために玄関の植木をほめるとか、玄関に入れば飾られている生花をさりげなくほめる。
そして軽く世間話などしながら気分をほぐしていく。
話もできるだけ相手に話してもらい、「ほぉ~」「ヘェ~」「全く」「なるほど」という軽い驚きの合槌を打ちながらひたすら聞き手にまわるという。

この時、植木や生け花の名前はもちろん産地まで、また花瓶についてもあれば○○焼きということは、平素、ひと通りは勉強しているので、よく知っているという。
「でないと話が途切れますわなぁー」と笑う。

ホテルでは食事をしながら話に花が咲き、3時間あまりしゃべっていた。
私は話しながら前田氏の聞く力に感心し、自分とどこが違うのか観察しながら聞いていた。

1つわかったことは、お互いに話のキャッチボールをしているのですが、私が話すと前田氏は自分の話をピタッと止め、こちらの話を聞いてくれるのです。
私の話がひと通り終ると先ほどの話を再び続けます。
つまり相手を主に自分の話をしているのです。

私はさすが部長ともなれば人の話をうまく聴くなぁ~と感心し得心もしたのです。
人は誰でも自分の話しを存分に気持ち良く聞いてくれれば、気分もスカーッとしてとても幸せを感じるものです。

大仲学院長の“人生に勝つコツ”シリーズ

2017年10月09日 | Posted in 大仲学院長の感じよく話すヒント聞くヒント | | Comments Closed 

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